2013 年 69 巻 2 号 p. I_13-I_23
本研究は,デジタル画像からのひび割れ抽出画像処理アルゴリズムに付随するパラメータ調整を対象とし,遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm: GA)および決定木を用いて,良好な画像処理を可能とするパラメータの有効範囲を特定する手法を提案する.GAは,組み合わせ最適化問題などの近似最適解を求める手法として幅広く応用されている.一般的に,GAの計算過程における探索点は,近似最適解の探索のみに利用される.本論文では,これらの探索点の情報を利用することにより,有効な解の範囲を特定する手法を提案する.具体的には,GAの解探索過程におけるデータ,すなわち解探索点と評価値のデータを保存し,データマイニング手法である決定木を用いて分析することにより,解の有効範囲を特定する.