抄録
近年,土木建築分野での景観検討において,AR(Augmented Reality)が注目されている.しかし,現在のAR技術では,既設構造物を解体,撤去し,そこに新たに構造物を建設することを想定して景観検討を行う場合,解体,撤去予定の既設構造物と,重畳する新設構造物の3次元モデルが交わって表示され,本来見えるべきでない既設構造物の一部が見えてしまい,適切な景観検討ができないという問題がある.一方で,背景画像を除去対象物領域に重畳することで障害物を取り除く技術であるDR(DiminishedReality)が着目されている.本研究では,3次元点群データを用いて,建物の解体,撤去時の景観検討での利用を想定した,屋外大規模構造物を対象としたDR手法を開発し,開発したシステムの検証実験を行った.