抄録
都市の緑地などの植生群を保全・創出していくには,個々の植生分布の空間的な位置関係を考慮した現状を広範囲から把握する必要がある.我々は,衛星データから算出したNDVIに空間的自己相関分析を応用することで,植生被覆量の多い箇所から少ない箇所へと植生分布が空間的に連なる箇所を植生分布変移軸と定義し,抽出する分析手法を開発してきた.本研究では,都市整備の進捗と植生分布の変遷との関係を広域的に把握することを目指し,2000年と2013年の観測時期の異なる衛星データから得たNDVIを基に2時期での植生分布の集積状態と植生分布変移軸を比較した.その結果,植生被覆量の多い箇所の集積する領域が限定されてきており,縮小や分断といった変化が植生分布の空間的な連なりに影響を及ぼしている可能性が示唆された.