2015 年 71 巻 2 号 p. II_34-II_41
走行しながら道路周辺の3次元位置情報を取得するMMSの位置精度は,GNSS電波の受信状況に依存する.受信状況が良好でない区間では標定点を設置し調整処理を行うことで位置精度が改善される.標定点を使用するためには標定点用ターゲット板に確実にレーザが照射される必要があるが,走行速度とMMSからの距離によりレーザの照射間隔が変化する.本研究ではMMSにより取得される点群の隣接点間の距離を把握し走行速度や設置距離ごとに標定点用ターゲット板のサイズを検討し,レーザが確実に照射される最小サイズと,座標値の精度が最も良くなるサイズを求める方法を提案した.その結果,速度40km/hで10m先に標定点を設置する場合は片側のレーザスキャナのみで0.09m×0.09m,両側のレーザスキャナを使用することで0.07m×0.07m以上のサイズのターゲット板を用いることが必要であることを明らかにした.