抄録
Mobile mapping system(MMS)計測で取得した三次元点群データを都市の景観管理へ活用する方法について現在研究が行われている.本論文では,点群データに含まれる反射強度の空間的分布特徴に着目し,空間的自己相関に関する指標が樹木の葉の有無の判別に有用であるか検討を行った.実験では,三次元空間をボクセル空間でモデル化し,ボクセルごとの反射強度の平均値と標準偏差を用いて,空間的自己相関に関する指標であるMoranのI統計量とLeeのL統計量,そしてこれらを分解して得られる指標の値を算出した.実験の結果,ボクセルごとの反射強度の平均値と標準偏差の二変数を用いて算出したLeeのL統計量及びこの指標を分解して得られた指標については,葉がついた樹冠部分と葉がついていない樹冠部分で値が大きく異なり,葉の有無の判別に有用である可能性が示唆された.