抄録
2018年5月からハワイ島キラウエア火山の火山活動が活性化し,大規模な噴火が継続して発生している.これらの噴火によって溶岩流の流出,火山灰や火山ガスを含む噴煙が発生し,建物や道路,周辺環境に多くの損害を与えている.本研究では,CバンドSAR衛星のSentinel-1による観測情報を利用し,噴火による火口の形状の変化や溶岩流の広がりおよび地震による地殻変動の状況を調査した.結果として,火口の形状や溶岩流による地表面の変化および地殻変動が効果的に把握された.これらの観測後に準リアルタイムに入手可能な全天候性の特徴を有するSentinel-1衛星画像を用いた調査結果から災害対応における概要調査や継続的なモニタリングに対する適用性を考察した.これらの調査結果から,溶岩流域分布と火山活動による地殻変位の概略的かつ継続的な調査に対してSentinel-1衛星の有用性が確認された.