2018 年 74 巻 2 号 p. I_144-I_152
ETC2.0対応車載器搭載車両が400万台を超え,ETC2.0プローブ情報のデータ取得量は劇的に増加している.著者らは,ETC2.0プローブ情報による自動車交通流動の総量把握手法の研究開発に取り組んでいる.自動車交通流動の総量把握には,道路交通実態に即したトリップの起終点を把握する必要があるものの,ETC2.0プローブ情報には,誤判別された起終点の情報が含まれている.
この課題に対して,本研究では,ETC2.0プローブ情報に含まれる誤判別された起終点を自動的に特定し,補正する手法を提案する.具体的には,道路ネットワークのうち,起終点が出現し得ないと考えられるものを「起終点なしリンク」と定義し,起終点なしリンク上の起終点は,すべて誤判別起終点とみなして補正する.提案手法により,誤判別された起終点の補正を試行し,その有用性を確認した.