2018 年 74 巻 2 号 p. I_178-I_186
将来流通が期待される走行車線を識別できるプローブデータの特長を活かした道路交通分析を行うには,車線ネットワークデータが必要となる.車線ネットワークデータは走行支援サービスの用途で調製されているため,道路交通分析でも活用できるようにしていく必要がある.また,道路管理の用途で整備が進められている道路基盤地図情報を道路交通分析でも利用できると,道路の計画系および管理系の各データの相互運用性の向上にも寄与することが期待される.
本研究は,道路基盤地図情報を対象に道路交通分析に適した大縮尺道路地図の要件に対する満足度を評価し,対応策を定義した.さらに,対応策に基づいて,高精度プローブデータおよび道路基盤地図情報を用いたケーススタディを実施し,有用性のある知見を得た.