抄録
計画確定行為の正当性を確保するために依拠すべき要件を明確化することによって,近年実務的には広がりを見せてきた,パブリックインボルブメント(PI)の計画手続きにおける位置づけを明確化することを目的に本研究を構成した.そのため,従来の研究を背景に,計画確定行為の正当性が,目的設定の合理性と手段の合理性からなる計画自体の正当性と,合法性,手続き公正性,手続き客観性,手続き合理性,手続き誠実性,手続き妥当性の6要件で構成される計画手続きの正当性との2つで成立することを述べ,そのうち手続き妥当性がPIの要件に対応する概念であることを示した上で,その構成4要件を示すことによってPIと計画手続き全体の要件体系を明らかにしている.