2008 年 64 巻 2 号 p. 285-298
本研究は,全盲者および重度弱視者を対象として,視覚障害者の方向感覚を測定し,視覚障害者用移動支援システムの開発や評価などにおいて,被験者を分類し,評価を行うことを検討した.まず,方向感覚質問紙簡易版(SDQ-S)により,これまでの歩行実験などではなく,簡易な質問紙で方向感覚から歩行能力を測定できることを示した.そして,歩行者音声案内システム社会実験において,方向感覚から歩行能力の高い群と低い群に分類し,評価結果を示した.その結果,方向感覚から被験者を分類し,その評価の有効性を示すことができた.