2008 年 64 巻 1 号 p. 62-71
神戸空港は神戸港沖に埋立造成された海上空港である.造成工事の施工では,従来のRI法による密度管理に加え,2孔式RI法及びGPS施工管理システムを採用し,高品質な施工管理が実現できた.また,埋立造成材として用いた神戸市内内陸部の造成残土は神戸層群の泥岩が混在するため,土砂化し易く圧縮性が大きく,含水比が高くなると敷均しや転圧作業により軟弱化し強度低下するという特徴を有している.そこで滑走路路体部分には水砕スラグを用いた路床改良を行うことにより,トラフィカビリティ-の改善,スレーキングに伴う圧縮沈下対象層厚の低減を図った.本施工に先立って種々の組合せの改良試験工事を行い,改良仕様を決定した.その結果,所定の品質を有する造成地盤が築造できた.