抄録
本研究は,1999年6月29日に起こった広島県の土石流災害を対象に,できるだけ集約された条件で多くの災害発生の有無を説明できるルールの作成手順を考案したものである.解析手法としてはパターン分類に優れたSVMと,ルールとして災害の要因を明確化できるラフ集合を組み合わせた.まずSVMによるパターン分類から各渓流の危険度評価を行い,その結果から特に危険な渓流と安全な渓流を“代表データ”として抽出する.次に,その代表データを対象にラフ集合を用いることで災害の発生・非発生ルールの作成を行う.この代表データからもたらされるルールは,少ないルールで多くの渓流における土石流災害の発生・非発生を説明することが可能なものであり,土石流災害の危険箇所を抽出する上で汎用性の高い基準として利用できることが明らかとなった.