日本臨床免疫学会会誌
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原著
原発性胆汁性肝硬変症における血中酸化ストレス関連マーカーの動態およびGST遺伝子型と病態の関連
小室 理高橋 宏樹佐藤 憲一玉城 成雄銭谷 幹男戸田 剛太郎
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2004 年 27 巻 5 号 p. 322-329

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抄録
PBCの胆管細胞や肝細胞における酸化ストレス関連物質の過剰存在が免疫組織学的検討により示され, PBCの病態形成への酸化ストレスの関与が示唆されている. 筆者らはPBC症例の血中酸化ストレスマーカー8-OHdG, 抗酸化物質Mn-SOD, TRXを測定し病態との関連を検討した. また自己免疫疾患の発症に関与するとされるGSTアイソファーム遺伝子型を解析した. PBC症例の血中8-OHdG, Mn-SOD, TRXは健常人に比しいずれも有意に高値だった (P<0.001). Mn-SODはALP, AST, IgM値, TRXはALP, IgM, IgG値とそれぞれ正の相関を認めた. さらにMn-SODとTRXは正の相関を認めた. またUDCA治療反応例は抵抗例に比し治療前のMn-SODが有意に高値だった (P<0.01). 一方GSTアイソファーム (GSTT1, GSTM1) 遺伝子欠損頻度はPBC患者と健常人で差を認めなかった. PBC症例のGSTT1, M1遺伝子欠損群と非欠損群の病態は差がなかったが, GSTM1, T1遺伝子両欠損群は非欠損群に比しAMA高力価症例が占める割合が有意に高かった (P<0.05). 以上よりPBC患者では血中酸化ストレスマーカー, 抗酸化物質がともに有意に高値で慢性酸化ストレス状態にあることが示唆された. またMn-SOD, TRXと疾患活動性, Mn-SODと治療反応性の関連を認め, 血中酸化ストレス関連マーカーの病態への関与が示唆された. さらに末梢血単核球におけるGSTアイソフォームの遺伝子欠損がAMA抗体価上昇に関与する可能性が示された.
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© 2004 日本臨床免疫学会
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