日本臨床免疫学会会誌
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原著
関節リウマチにおけるエタネルセプトの動脈硬化抑制効果
田口 博章, 西 和男, 鈴木 貴博, 岡野 裕
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2012 年 35 巻 3 号 p. 183-187

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抄録
  関節リウマチ(rheumatoid arthritis : RA)の生命予後に関する疫学研究では,RA患者は健常人に比して予後不良で,主要死因は心血管疾患である.本研究では,腫瘍壊死因子(Tumor necrosis factor ; TNF)阻害薬のエタネルセプトによる動脈硬化の抑制効果を明らかにすることを目的とした.メトトレキサート8 mg/週の治療では,EULAR疾患活動性基準(DAS28-ESR)が中もしくは高疾患活動性のRA患者6例を対象とした.エタネルセプト25 mg/週の治療開始前と1年後で脈派伝播速度(pulse wave velocity ; PWV)を測定した.動脈硬化病変に影響を与える可能性のある薬剤の追加や変更はなかった.PWVは,6例中5例で低下し,平均値は1474.8 cm/秒から1432.5 cm/秒へ低下した.RAの疾患活動性は全例で改善し,DAS28-ESRの平均値は5.56から2.87へ低下し,EULAR改善基準での評価で全例がgood responseであった.血圧,血清脂質(総コレステロール,中性脂肪),HbA1c値は,エタネルセプト投与前と1年後のいずれでも正常範囲内で,かつ前後で有意な変化はなかった.以上より,PWVの改善はエタネルセプトによる抗炎症作用を介した抗動脈硬化作用によることが示唆された.
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© 2012 日本臨床免疫学会
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