抄録
Th17細胞は感染防御などに重要なリンパ球であり,その制御異常は種々の自己免疫疾患や炎症性疾患を導く.Th17細胞はIL-17とIL-22を産生し,上皮系細胞に働きかけ,サイトカイン,ケモカイン,抗菌ペプチド産生を促す.Th17細胞は種々の皮膚疾患の病態に関与し,乾癬,アトピー性皮膚炎,薬疹が代表的である.乾癬では,ある種の樹状細胞がオートクライン的にTNF-αで活性化され,IL-23を産生し,Th17細胞を維持・活性化し,産生されたIL-17とIL-22がケラチノサイトに働きかけ,STAT3を介して肥厚した表皮の病変を形成する.アトピー性皮膚炎では,Th17あるいは他のIL-17またはIL-22産生細胞が,急性病変から慢性病変への移行を図ると考えられる.薬疹では,Stevens-Johnson症候群,中毒性表皮融解壊死症,acute generalized exanthematous pustulosisでは末梢血でのTh17細胞が増加している.