日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P6-004  CD11c陰性CD123陰性樹状細胞サブセットはSLEの疾患活動性に寄与する
久保 智史中山田 真吾湯之上 直樹好川 真以子山岡 邦宏齋藤 和義田中 良哉
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2014 年 37 巻 4 号 p. 357b

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抄録

【目的】全身性エリテマトーデス(SLE)はB細胞の活性化による過剰な自己抗体産生,樹状細胞(DC)及びT細胞を介した免疫寛容の破綻を特徴とする自己免疫疾患である.しかし,それらの免疫細胞サブセットの相互作用がどのように病態に関与するのかは不明である.【方法】SLE患者44名,健常人8名,疾患コントロールとして関節リウマチ(RA)患者20名から採取した末梢血単核球層を分離してflow cytometryを用いて,B細胞,T細胞,DCの細分類を試み,SLEにおける各サブセット間および患者背景との相関を検討した.【結果】SLEではIgM memory B細胞の割合が減少し,effector B細胞とplasmablastの割合が増加した.T細胞ではeffector memory T細胞が増加した.DCではplasmacytoid DC(pDC)の割合に変化を認めず,myeloid DC(mDC)の割合が減少した.さらに健常人とRA患者には認められないCD11c-CD123-のdouble negative DC subsetがSLE特異的に出現していた.Double negative DC subsetはcentral memory B細胞,plasmablastの割合とクラスターを形成し有意に相関する一方,mDCやpDCと逆相関した.さらに治療ナイーブ症例のみで解析すると,このsubsetはSLEDAI,BILAG,抗ds-DNA抗体と相関し補体と逆相関していた.【結語】SLEでは特異的なDC subsetが存在し,B細胞の分化に影響を与え,低補体血症や抗ds-DNA抗体産生を介した臓器障害および病態形成への関与が示唆された.

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© 2014 日本臨床免疫学会
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