日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P10-010  IgG4関連疾患とキャッスルマン病における臨床病態及び免疫関連分子の比較
矢島 秀教山本 元久高橋 裕樹清水 悠以鈴木 知佐子苗代 康可今井 浩三篠村 恭久
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2014 年 37 巻 4 号 p. 380b

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抄録

  IgG4関連疾患(IgG4-RD)及び多中心性キャッスルマン病(MCD)は,ともに高γグロブリン血症やリンパ節腫大,高IgG4血症を呈し,リンパ節や病変部ではIgG4陽性形質細胞の浸潤を認める.両疾患でリンパ濾胞の数は増加するが,大きさはIgG4-RDでは拡大する一方,MCDでは萎縮することが指摘されている.IgG4-RDの病態生理を明らかにするために,臨床所見の比較と,両者の相違に着目してリンパ濾胞における各種転写因子やサイトカインの発現の違いを検討した.IgG4-RDのリンパ節では,拡張した濾胞内にT-betやGATA-3,Bcl-6陽性細胞を認め,また,濾胞内および濾胞間にIL-21陽性細胞を認めたが,IL-6陽性細胞は濾胞間にわずかに認める程度であった.一方,MCDのリンパ節では,萎縮した濾胞内にGATA-3陽性細胞を認めたが,T-betやBcl-6陽性細胞は認めなかった.濾胞内および濾胞外には著明なIL-6陽性細胞を認めたが,IL-21陽性細胞は濾胞外のみに分布していた.リンパ濾胞におけるこれらの免疫関連分子の発現の差異が病態形成に関与していると考えられる.

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© 2014 日本臨床免疫学会
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