RAG1/RAG2遺伝子変異により発症する疾患は,重症複合免疫不全症からある種の自己免疫疾患まで,多様な臨床スペクトラムを示すことが明らかにされている.このような臨床症状の多彩さは,遺伝子変異により規定される酵素活性の差のみでなく,多様な環境因子や,場合によってはRAG1/RAG2遺伝子に起こる第二変異によってもたらされることも知られている.残存する酵素活性により分化した少数の自己応答性T細胞クローンにより惹起される炎症病態はTh2に偏倚し,皮膚を含む全身臓器の炎症を特徴とする特有の臨床像を示し,Omenn症候群として知られている.本総説ではOmenn症候群を中心にRAG1/RAG2遺伝子変異に起因する疾患の分子病態について解説する.さらに,RAG1/RAG2以外の,V(D)J再編成に関与する分子群の異常により発症するOmenn類似症候群についても言及する.