2017 年 40 巻 3 号 p. 196-205
目的:セルトリズマブペゴル(CZP)の日本人関節リウマチ患者に対する実臨床における安全性および有効性を検討する.方法:関節リウマチ患者を対象とした製造販売後調査において,CZPを投与された2579名について評価した.24週間の調査期間における有害事象が記録された.疾患活動性はDisease Activity Score 28(DAS28)-ESRおよびDAS28-CRPによりCZP投与開始前,12週および24週目,もしくは中止時に評価した.結果:CZPの総暴露期間は1313.8患者・年であった.有害事象は658名(25.5%)で報告された(100患者・年あたり73.68件).主な重篤有害事象は肺炎,帯状疱疹,間質性肺疾患(それぞれ100患者年あたり2.06,1.29,1.22)であった.投与開始時の疾患活動性はDAS28-ESRが4.77 ± 1.34,DAS28-CRPが4.21 ± 1.27であり,最終観察時までの変化量はそれぞれ−1.29 ± 1.46および−1.30 ± 1.42であった.EULAR改善基準に基づく中等度改善以上の割合は約65%,長い罹病期間,生物学的製剤使用歴,およびMTX非併用がEULAR基準による低い有効性と関連していた.結論:本中間解析において,新たな安全性上のシグナルは認められなかった.CZPを投与した患者の約2/3で有効性が認められた.