日本臨床免疫学会会誌
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FACScanによるhybrid acute leukemiaの検索
青木 定夫丸山 聡一野本 信彦小池 正品田 章二柴田 昭
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1990 年 13 巻 2 号 p. 120-126

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抄録

白血病細胞を,厳密に選定した抗体を用いて解析したところ, hybrid acute leukemia (HAL)を高頻度に見いだした.
対象および方法: 1988年10月から1989年5月までに解析した,骨髄または末梢血に芽球が40%以上存在する急性白血病および慢性骨髄性白血病急性転化(CMLBC)計51例を対象とした.検体は全血のままで, fluorescein (FITC)およびphycoerythrin (PE)標識モノクローナル抗体で2重染色し,抗体の組合せは, CD4とCD 2, CD 3とCD 19, CD 2とHLADR, CD 13とCD 20, CD 36とCD 14, CD 10とCD 33, CD 1とCD 21, CD 7とCD 25とした. HALの診断はGaleの定義に準じた.
結果: 1. ALL 20例中7例にmyeloid抗原の発現を認めた. 2. CMLBC 9例中2例にmyeloid抗原の発現を認めた. 3. ANLL 22例中1例にlymphoid抗原陽性芽球の出現をみた.
結論: ALLおよびCMLBCに,高率にHALが存在した.今後,これらの例の臨床的意義について検討したい.

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