日本臨床免疫学会会誌
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大動脈炎症候群および混合性結合組織病に合併する肺高血圧症の比較
斎藤 美和子宮田 昌之松嵜 博記武田 功渡辺 浩木田 さとみ海瀬 俊治大原 守弘西間木 友衛粕川 禮司
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1994 年 17 巻 3 号 p. 147-151

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抄録
大動脈炎症候群(AoS)に肺高血圧(PH)を合併するのはまれであり,また混合性結合組織病(MCTD)に合併するPHに比べて軽症のことが多い.今回PHと抗カルジオライピン抗体(aCL)との関係をAoSとMCTDについて比較検討した.さらにわれわれが経験したPHを合併したAoS 2例を提示した.
aCLは, PH合併AoS 2例でいずれも陰性であり, PH合併MCTD 3例ではすべて陽性であった.症例1はAoSと診断14年後にPHを合併し,その後6年経過し生存中である.症例2はAoSと診断6年後にPHを発症しその6年後に死亡した. PH発症後の生存期間は, AoSでは5年以上, MCTDでは平均0.8年であった.
AoSとMCTDでは, PHは異なる機序で発症し,その予後の違いに関係すると考えられた.
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