日本臨床免疫学会会誌
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全身性エリテマトーデス様の臨床所見を呈したidiopathic plasmacytic lymphadenopathy with polyclonal hyperimmunoglobulinemiaの1症例
橋本 通吉河 康二神宮 政男江崎 一子野中 史郎安田 正之延永 正
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1994 年 17 巻 3 号 p. 221-228

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抄録

症例は48歳の女性.平成4年10月微熱, 11月Raynaud症状出現, 12月31日高熱,全身リンパ節腫脹,肝脾腫,右側胸水,膵炎,腎機能障害にて近医入院となった.血小板減少症,低補体血症ならびに著明な高γグロブリン血症を伴い;リウマトイド因子,抗甲状腺自己抗体陽性を示した.リンパ節生検にてidiopathic plasmacytic lymphadenopathy with polyclonal hyperimmunoglobulinemia (IPL)に合致した組織像を呈した.副腎皮質ステロイド剤投与を受けたが微熱,リンパ節腫脹,肝脾腫が持続したため平成5年5月11日当科転院となった. VEP療法を開始,自他覚的に著明に改善,同年8月5日退院となった. IPLなどのリンパ増殖性疾患はしばしば自己免疫疾患類似の症状を呈し,自己抗体も陽性となることが知られている.当症例は全身性エリテマトーデス(SLE)様の臨床症状を示したが,抗腫瘍剤の投与によるリンパ節の縮小に伴い臨床症状の改善がみられた.

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