日本臨床免疫学会会誌
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急速に進行した難治性間質性肺炎を合併した皮膚筋炎の1剖検例
小澤 義典黒坂 大太郎橋本 信也
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1995 年 18 巻 5 号 p. 552-558

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抄録

急速に進行した難治性間質性肺炎を合併した皮膚筋炎の1剖検例を報告する.症例は48歳,女性.顔面の浮腫性紅斑および筋力低下の精査加療目的にて入院となった.入院時血清CK値は正常であったが, GOT, LDH,ミオグロビンの上昇を認めた.筋電図では筋原性変化を示し,典型的な皮膚症状も認め皮膚筋炎と診断した.胸部X線上間質性肺炎の合併も確認された.プレドニゾロン60mg/日の投与を開始したところ皮膚症状は著明に改善したが,間質性肺炎の増悪を認め,二度にわたりパルス療法を施行した.しかし効果を認めず間質性肺炎は急速に進行し死亡した. CKは末期まで正常範囲で推移した.剖検では全身横紋筋線維の著しい変性壊死と崩壊を認めた.肺病変については,通常間質性肺炎とびまん性肺胞障害の所見の混在を認めた.また血管炎および線維素性胸膜炎も認めた.悪性腫瘍は認められなかった.

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