日本臨床免疫学会会誌
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肉芽腫性間質性腎炎による腎不全で発症したサルコイドーシスの1例
猪尾 昌之垂水 禧直越智 達正尾崎 光泰倉田 典之
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1995 年 18 巻 5 号 p. 566-572

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抄録

【症例】39歳,女性.【主訴】腎障害精査【現病歴】平成4年10月全身倦怠感出現し近医受診.蛋白尿を認め某病院を受診.腎不全にて通院中,悪化のため平成5年11月6日本院紹介. 12月霧視が出現.眼科にて虹彩炎と診断.平成6年1月9日腎生検目的にて入院.【検査】尿蛋白(±),尿潜血(〓),胸部Xp:異常なし,貧血なし,肝機能異常なし. BUN 38.7mg/dl, Cr 3.2mg/dl, Ca 2.5mEq/l. ACE 17.6IU/l,リゾチーム49.5μg/ml.【腎生検結果】間質の肉芽性変化とラングハンス型巨細胞を認めた.【Gaシンチ】眼球,耳下腺,腎,大腿に集積が認められサルコイドーシス(サ症)と診断. PSL 40mg/dayの投与を開始し腎機能の改善傾向が認められた.【考察】サ症の腎疾患の合併頻度は必ずしも稀ではなく,サ症を診る際に腎臓の合併を考慮に入れることは重要であり,続発性腎疾患の鑑別にもサ症による腎症を十分に考慮すべきである.

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