日本臨床免疫学会会誌
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遺伝子治療の現状と臨床応用への展望
小澤 敬也
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1999 年 22 巻 6 号 p. 391-393

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抄録
遺伝子治療の臨床研究は,癌やエイズなどの重篤な後天性疾患を主な対象として活発に進められ,最近では慢性疾患に対しても試みられるようになってきている.しかし,現時点ではほとんどの場合まだ明瞭な有効性は確認されず,実験的医療の段階に留まっているのが実情である.その最大の理由は,基盤テクノロジーが実用レベルに到達していないことである.特に,遺伝子導入システムの開発が最大の鍵を握っている.現在我々は,アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターに注目し,その開発を進めている.AAVベクターの有利な点は,非病原性ウイルスに由来し安全性が高いこと,筋細胞や神経細胞などの非分裂細胞への遺伝子導入に適していることである.一方,造血幹細胞遺伝子治療に関しては,ヒト造血幹細胞への遺伝子導入効率が低いという問題点を克服するため,遺伝子導入造血幹細胞を体内で選択的に増幅させる新しいシステムの開発を進めている.
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