抄録
慢性関節リウマチ(RA)の病態形成に骨髄異常が関与することが知られている.最近RAの関節滑膜に未分化血球系細胞とstem cell factorの存在が証明された.今回, RA関節液がヒト前骨髄球性白血病細胞株HL 60からのCD 14陽性/HLA-DR陽性細胞の分化へ及ぼす影響を検討した. RA患者18名および対照群患者(非RA関節疾患)10名の関節液を対象とした. HL 60を関節液存在下に5日間培養後CD 14とHLA-DRの発現をフローサイトメトリーで測定した. RA関節液では,対照群患者関節液に比しHL 60からのCD 14陽性/HLA-DR陽性細胞・HLA-DR陽性細胞の分化誘導能が有意に亢進していた.種々のサイトカインやRA患者血清はこうした分化誘導活性を示さなかった.こうしたRA関節液のHL 60の分化誘導活性はピアルロニダーゼ処理により著明に低下した. RA患者と対照群患者の間では,関節液中のビアルロン酸濃度に有意差はなかった.以上より, RA患者関節液中には未分化血球系細胞よりHLA-DR陽性細胞への分化を誘導するビアルロン酸に関連する因子が存在し,これはピアルロン酸の質的異常に関与することが示唆された.