抄録
X連鎖無γ-グロブリン血症(XLA)の基本的治療はγ-グロブリン置換療法であり,保険適応となっているが,実際にどのように治療が行われているかを知る目的でアンケート調査を行った.当教室でフローサイトメトリーならびに遺伝子解析によってXLAと診断された134例の患者主治医に対してアンケート調査を行ったところ, 118例の有効回答が得られた.うち7例を除き111例でγ-グロブリン置換療法が行われていた.ほとんどは2~4週間隔で定期的に投与されており,血清IgGのトラフ値を400mg/dl以上としている症例が多くみられた.一部では副作用が認められたが,投与中止となった症例はなく,併用療法として一部では抗生剤,特にマクロライド系抗生剤の投与が行われていた.トラフ値が高くても感染症を合併している症例もあり,投与量やトラフ値は個々の症例に応じて設定すべきであると考えられた.