日本臨床免疫学会会誌
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メチルB12の免疫調整作用
坂根 剛本田 正明恒松 徳五郎
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1981 年 4 巻 5 号 p. 251-255

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抄録
メチルB12の免疫系に与える影響を検討する目的で,ヒト末梢血T細胞によるmitogenあるいはBリンパ球に対する幼若化反応への影響,および, in vitro抗体産生系に必須のヘルパーT細胞に対する影響,さらには, concanavalin A (Con A)誘導サプレッサー細胞の産生に対する効果を検索した. in vitro増殖反応において,メチルB12は低濃度のCon Aおよび自己B細胞に対する反応を著しく促進した. Con Aや自己B細胞に反応する細胞は調節T細胞あるいはその産生に心須のT細胞集団とされており,したがって上の成績は,メチルB12が調節T細胞集団の増強を通じてリンパ球機能を修飾する可能性を示唆している.実際,メチルB12in vitro抗体産生系においてヘルパーT細胞の機能を著しく促進し,またCon Aにより誘発されるサプレッサーT細胞の産生を著明に増強した.以上のin vitro反応系を用いて得られた実験成績から,B12が生体内においてもリンパ球機能を修飾する可能性が示唆された.
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© 日本臨床免疫学会
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