日本臨床免疫学会会誌
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慢性関節リウマチ患者リンパ球の免疫異常とN-(2-carboxyphenyl)-4-chloroanthranilic acid disodium salt (CCA)による是正効果
盛政 公明斉藤 良仁塩 孜山名 征三大藤 眞
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1982 年 5 巻 2 号 p. 137-145

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抄録

Classicalまたはdefiniteの慢性関節リウマチ(RA)患者13名に免疫調整剤CCA 240mg/dayを連日経口投与し, CCAが患者の免疫能におよぼす影響および臨床効果との関連について検討した.
対象としたRA患者13例の治療前の末梢血リンパ球のCon A, PHA反応は低下しており, Tγ cellは高値を示した. CCA投与により4週目以降にCon A, PHA反応は軽度上昇し, Tγ cellは減少した. PPD皮内反応の増強も約半数に認めた.しかし, CCAによる臨床的改善と, PPD皮内反応, Con A, PHA反応の改善とは必ずしも平行しなかった. CCA有効例はPPD皮内反応, Con A, PHA反応, Tγ cellなど免疫学的parameterの偏位が強く,臨床的にも活動性が強い傾向にあった. CCAはこれらparameterの強い偏位を示す例に対して免疫調節作用を有し,これらを通してRAに対する臨床的改善効果を有することが示唆された.

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