日本臨床免疫学会会誌
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cytophagic histiocytic panniculitisの1例
古川 雄祐畠山 牧男溝口 義明隅谷 護人狩野 庄吾青柳 豊横山 武
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1986 年 9 巻 1 号 p. 58-64

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抄録
症例は30歳女性.昭和57年4月発熱・皮下結節のため入院.皮膚生検では血球を貪食した組織球およびリンパ球の浸潤を伴う広範な脂肪織炎の像がみられた.症状はprednisoloneにょって一時軽快したが9月に再発,再発時検査所見で高度の肝機能障害,高脂血症,汎血球減少,凝固障害をみとめた. prednisolone,免疫抑制剤,消炎剤等効果なく病勢は進行,血尿,消化管出血等の出血傾向が出現し,さらに上行結腸穿孔を合併,結腸切除術を施行したが,腹膜炎,髄膜炎を併発して死亡した.剖検時,腹膜,髄膜,心筋,骨髄等に貪食性組織球の浸潤がみられた.本例はWinkelmannらが1980年に報告したcytophagic histiocytic panniculitisの疾患概念に一致すると考えられる.
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