抄録
原発性腎疾患患者赤血球上のCR 1についてimmune adherence haemagglutination法を用いて検討を加え,膜性増殖性糸球体腎炎2例に欠損を認めた.この欠損はおのおのの両親の一方にも認められた.また抗C3c,抗IgGによる患者および両親の赤血球の凝集反応は認められず,また治療によりCR 1欠損に変化を認めなかったことより, 2例のCR 1欠損は遺伝的支配と考えられた.
2例は経過中,抗核抗体や補体alternative pathwayのC3 convertase, C3bBbに対する自己抗体であるC3 nephritic factor (以下C3NeFと略す)の出現が認められた.このことは,これらの病態に自己免疫の関与が想定され,経過中に種々のimmune complex (以下I. C.と略す)出現の可能性が考えられることより, CR 1欠損によるred cell immune complex clearing systemの低下が,病態に何らかのかかわりをもつと考えられた.