主催: 聖マリアンナ医科大学 リウマチ・膠原病・アレルギー内科
目的 膠原病治療中に発症したPneumocystis肺炎(PCP)の生命予後因子を検討すること 方法 平成12年11月から平成17年9月に当科に入院した患者で膠原病治療中にPCPに罹患した患者をデータベースで検索し後向きに抽出した.年齢,性別,基礎疾患,PCP発症時のステロイド内服量,CD4陽性T細胞数,血清IgG値,アルブミン値,免疫抑制薬の併用,PCP治療薬,気管内挿管,ICUへの入室等の項目とPCPの生命予後の関連を検討した.結果 抽出期間中22人がPCPを発症した.11人がPCP治療中または治療後に死亡した.患者死亡に関して統計学的に有意な項目はICUへの入室であった.考察 膠原病治療中に発症したPneumocystis肺炎(PCP)の生命予後因子を検討したところ,患者死亡と有意に関連があった項目は今回我々が注目した予後因子としてはICUへの入室のみであり,重症例が死亡したという現実であった.CD4陽性T細胞数,血清IgG値,アルブミン値などの検査項目は患者死亡を予測する因子ではなかった.今後,PCPが重症化する要因をさらに検討する必要がある.