日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第35回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: 85
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一般演題
小頭症・鳥様顔貌・発育障害および造血不全を伴う新規重症複合免疫不全症の一例
*石村 匡崇高田 英俊大賀 正一原 寿郎
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抄録

重症複合免疫不全症 (SCID) のうち、T-B-NK+SCIDはRAG-1/2やArtemis等の遺伝的障害により発症し、後者は放射性感受性を伴う。Artemis分子と共にDNA二本鎖切断の修復機構に関わるNBSやDNA Ligase IV (LIG4) の異常により、小頭症、免疫不全及び発育障害がおこり、それぞれNijmegen症候群、LIG4症候群として知られてきたが、これらの疾患ではSCIDを伴うことがある。今回我々は小頭症・鳥様顔貌・発育障害に造血不全を伴いNBS1遺伝子やLIG4遺伝子に異常を認めなかった新規SCIDの男児を経験したので報告する。症例は8生月男児。在胎31週967gにて出生。RDS、PDA、停留精巣、白血球減少、貧血、肺高血圧症、慢性肺疾患等があり、日齢100まで前医で入院加療を受けていた。ロタウイルス腸炎の後、汎血球減少を指摘され紹介入院した。血清IgG値50 mg/dl以下、リンパ球芽球化反応 (PHA) 112 S.I.(%)(254-388) 等から重症複合免疫不全症と診断し、体重増加/全身状態の安定化を待って、1歳3カ月時にRISTによる臍帯血移植を行い良好な経過を得ている。

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© 2007 日本臨床免疫学会
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