日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第35回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: 119
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一般演題
難治性ベーチェット病ぶどう膜炎に対するインフリキシマブの初期効果
*大黒 伸行法貴 哲西信 良嗣田野 保雄田中 敏郎吉崎 和幸
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抄録

(目的)2007年1月、抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体であるインフリキシマブの、難治性ベーチェット病ぶどう膜炎に対する適応が承認された。そこで、既存の治療に抵抗する本疾患に対してインフリキシマブ治療を開始したので、その初期効果について報告する。 (対象と方法)対象は既存の治療では眼炎症発作を抑制できないベーチェット病ぶどう膜炎患者5例である。平均年齢は33.2歳(28-37歳)で全例男性であった。インフリキシマブ治療開始後期間の平均は2.8ヶ月(1-4ヶ月)。インフリキシマブ投与開始前後における眼炎症発作および眼外症状の変化、副作用について検討した。 (結果)治療開始前3ヶ月の眼炎症発作回数は平均2.2回(1-3回)で、全て視機能に重篤な影響を及ぼす大発作であった。一方、治療開始から現在までの眼発作は1例でごく軽度の小発作を1度生じたのみであった。眼外症状についても、口腔内アフタ、皮膚症状、関節炎など全般に軽快しており、悪化例はなかった。副作用については、投与時の血圧上昇が1例で認められたほかは特に認められなかった。 (考察と結論)インフリキシマブ治療導入後の短期成績は良好であった。ベーチェット病ぶどう膜炎活動期で既存の治療に反応しない症例では、早期にインフリキシマブ治療を開始すべきと考えられた。

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© 2007 日本臨床免疫学会
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