日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第35回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: 42
会議情報

一般演題
全身性エリテマトーデス 患者由来Epstein-Barr ウイルス感染リンパ芽球様細胞株におけるmicroRNA の発現
*高橋 令子石井 智徳岡 友美子高澤 徳彦平林 泰彦
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

近年Epstein-Barr (EB) 95-8 ウイルスがコードするmicroRNAが報告された。EB ウイルス感染症と全身性エリテマトーデス(SLE) の発症・病態の関係については従来から様々な報告がされている。我々はSLE 患者と健常人でこれらmicroRNAを定量し比較した。  方法は、1)SLE 患者由来末梢血リンパ球でReal-time PCR 法により、EB ウイルスがコードする5個のmicroRNAを定量した。2)SLE 患者と対照健常人由来末梢血リンパ球にEB 95-8 ウイルスを感染させリンパ芽球様細胞株を作成した。それらの細胞株においてこれらmicroRNA を定量し、健常人の細胞株由来のものと比較した。3)SLE腎障害を起こす抗DNA抗体を産生するリンパ芽球様細胞株,O-81でこれらmicroRNA を定量し、SLE 患者由来リンパ芽球様細胞株由来のものと比較した。  結果は、1)SLE 患者由来末梢血リンパ球では、これらmicroRNAは検出されなかった。2)SLE 患者と対照健常人由来のリンパ芽球様細胞株では、これら5個のmicroRNAは共に検出できたがその量に有意差は認めなかった。3)抗DNA抗体産生リンパ芽球様細胞株, O-81においてこれらmicroRNAの発現レベルは、SLE 患者由来リンパ芽球様細胞株由来のものと比較して高かった。  従って、EBウイルスがコードするmicroRNAが、SLEの病態、特に抗DNA抗体産生能に関連している可能性が示唆された。

著者関連情報
© 2007 日本臨床免疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top