抄録
【目的】シェーグレン症候群と関節リウマチの合併はしばしば認められ、肺病変をともなうことも多い。間質性肺炎の病理像はシェーグレン症候群ではlymphocytic interstitial pneumonia (LIP)が多く、関節リウマチではorganizing pneumonia (OP)、nonspecific interstitial pneumonia (NSIP)、usual interstitial pneumonia (UIP)、が多くを占め、治療反応性も異なる。関節リウマチを合併したシェーグレン症候群における肺病変の特徴を明らかにするため、検討を行った。
【方法】シェーグレン症候群と関節リウマチの合併と考えられた過去5年間のの入院患者17例のなかで、診断根拠の明らかでない例と、他の膠原病の合併例を除いた7例について胸部X線、CTなどについて検討した。
【結果】7例とも女性、平均年齢46.3歳、3例で間質性肺炎あり、1例で慢性気管支炎を認めた。間質性肺炎はNSIPまたはCOPが1例、NSIPまたは初期のUIPが1例、分類不能が1例であった。NSIPまたはCOPの症例ではPSL30mgの治療では症状が増悪し、mPSLパルス療法とシクロスポリンの追加を行ったところ症状、画像所見とも改善した。
【結論】今回の検討で間質性肺炎ではLIPは認めなかった。NSIPまたはCOPと考えられた症例ではプレドニゾロンに対する反応が悪く、関節リウマチでのIPとは治療反応性が異なる可能性が示唆された。