日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第39回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: PW-22
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一般演題(ポスターワークショップ)
巨細胞性動脈炎における抗リン脂質抗体の臨床的検討
*末松 栄一宮村 知也石田 素子大石 果林高濱 宗一郎南 留美喜安 純一山本 政弘
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抄録

巨細胞性動脈炎(GCA)は高安動脈炎と共に大血管炎に分類されるが,本邦での頻度は比較的少ない.今回当科で経験したGCAの臨床的検討を行った.GCAの診断はアメリカリウマチ学会分類基準(ACR1990)に従った.症例は男性1名,女性11名.平均年齢67.7歳(59~78歳).初診時平均CRP7.07mg/dl.側頭動脈の腫脹・圧痛を認めた症例は6例で,生検を行った4例に多核巨細胞を含む血管炎の所見を認めた.抗リン脂質抗体が6例(抗カルジオリピン抗体IgG6例,抗カルジオリピンβ2GPI抗体6例,ループスアンチコアグラント0例)に陽性であった.リウマチ性多発筋痛症の合併は2例であった.治療に関してはステロイド大量療法が行われ,いずれも反応は良好であった.今回の検討では抗リン脂質抗体陽性例が多かった.しかしながら血栓症状との因果関係は明らかでなく,また治療により抗体価の低下がみられ,炎症による2次的なものが推察された.

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© 2011 日本臨床免疫学会
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