日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第39回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: PW-40
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一般演題(ポスターワークショップ)
アダリムマブ使用関節リウマチ患者におけるニューモシスチス肺炎
*渡部 香織小池 竜司酒井 良子田中 みち山崎 隼人駒野 有希子南木 敏宏宮坂 信之針谷 正祥
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抄録

【目的】ニューモシスチス肺炎(PCP)は、TNF阻害薬使用関節リウマチ(RA)患者において、最も注目すべき日和見感染症の一つである。これまで、インフリキシマブ、エタネルセプト投与下に発症したPCPについて、発症危険因子を同定した。今回は、アダリムマブ(ADA)使用RA患者におけるPCPについて、臨床的特徴、発症危険因子を解析した。【対象・方法】ADAの市販後調査開始後より2010年4月までにPCPを発症した17例および、PCP非発症ADA投与患者89例を集積し、後ろ向きケースコントロール研究を行った。【結果】PCP発症例の平均年齢は66.5歳、男女比3対7、平均罹病期間12年、既存の肺病変合併は8例であった。PCP発症時、13例でPSLを併用しており、平均投与量は5.9mg/日、MTXは全例で併用しており、平均投与量は7.5mg/週であった。また、PCP発症例は関節破壊の進行した例が多かった。これらの症例とPCP非発症患者を比較したところ、PCP発症危険因子として、単変量解析の結果では高齢、SteinbrockerのstageIII以上が同定された。既存の肺病変の合併はリスクが高い傾向にあった。本研究はADA投与下のPCP研究会会員との共同研究である。

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© 2011 日本臨床免疫学会
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