日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第39回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: PW-49
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一般演題(ポスターワークショップ)
RAに対するアダリムマブの有効性と血中濃度・抗アダリムマブ抗体の検討:第4報:AAA陽性群と陰性群の検討
*山下 美鈴棗田 将光高杉 幸司藤原 宗一郎江澤 香代江澤 和彦那須 義久山本 渉西田 圭一郎
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抄録

【目的】アダリムマブ(ADA)投与中のRA患者において、抗アダリムマブ抗体(AAA)発現の有無と背景因子や有効性との関連について検討する。【方法】AAA陽性群15例、陰性群41例に分け、背景因子や臨床的有効性(DAS28、CDAI、ACR改善率、継続率)を比較検討した。【結果】患者背景では、陽性群は陰性群に比し年齢が有意に低く、TNF製剤治療歴ありが多く、γグロブリン値が高値であったが、性別、罹病期間、体重、併用薬、ステロイド量、RF、MMP-3、抗CCP抗体、IgG・A・Mにおいて有意差は認められなかった。両群とも4週以降疾患活動性の低下が認められたが、ΔDAS28、ΔCDAIは陰性群の方が有意に改善しており、継続率も陰性群で高く(20週で有意差あり)、32週におけるDAS28中等度以上の改善のLUNDEXスコアは陰性群60.5%に対し、陽性群35.7%と低かった。陽性群ではADA血中濃度が有意に低かった。陽性群のうち1例は、ADA単独療法→TAC1.5mg/日併用によりAAAが陰性化してADA血中濃度が上昇し、臨床的寛解が得られた。7例は他剤(TCZ3例、ABT3例、ETN1例)に変更し、TCZ或いはABTに変更した症例は改善傾向である。【考察】AAA陽性群において臨床的有効性が乏しいのは、ADA血中濃度が低いことが一つの要因と考えられた。

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© 2011 日本臨床免疫学会
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