抄録
家族性地中海熱(FMF)は、周期性発熱と漿膜炎発作を特徴とする遺伝性の自己炎症疾患である。FMFの責任遺伝子として、MEFVが同定され、その変異がFMFの原因と考えられている。MEFV遺伝子産物Pyrinは、炎症において中心的役割を果たしているインフラマゾームの関連蛋白である。最近、一部の炎症性疾患において、MEFV遺伝子変異が報告されており、MEFV遺伝子がFMF以外の病態にも関与していることが示唆されている。今回、我々は、不明熱患者、分類不能関節炎患者 計142名においてMEFV遺伝子解析を行った。その結果約67%において、何らかのMEFV遺伝子変異が確認され、14名が典型的FMFであった。また12名が不完全型(FMF variants)と考えられた。また自己免疫疾患の確定診断がついているにも関わらず原因不明の発熱、関節炎が遷延している症例の一部においてMEFV遺伝子変異が確認された。MEFV遺伝子変異(多型)は、日本人に比較的高頻度にみられることより、典型的FMFに加え、一部の症例において、MEFV遺伝子変異が、既存の自己免疫、炎症疾患の病像を修飾している可能性が考えられた。FMFの全国調査の結果とあわせて報告する。