抄録
ディーゼル用酸化触媒の正確な性能評価のために,浄化対象成分であるSOF(排気微粒子中のタール状有機可溶成分)の酸化開始温度を決定する方法が必要とされている。本報文では熱分析法である熱重量測定(TG),示差熱分析(DTA)をこの目的のために用いた。排気微粒子より抽出したSOFを吸着させたハニカム触媒の小片を用い,触媒のSOF酸化特性をこれらの熱分析法によって評価した。これらの分析から各触媒の活性順序はTG曲線の変曲点やDTAのピーク位置から決定が可能であり,熱分析の手法は触媒の性能を評価するのに有効である事が明らかになった。