抄録
Ti-S,Cr-SおよびTa-S系不定比化合物の燃焼熱(ΔHc)を双子型Tian-Calvetタイプカロリメーターを用いて測定した。燃焼カロリメトリーの測定条件の決定について,(a) 反応温度,(b) 雰囲気,(c) 粒径,(d) 試料量の観点から論議した。測定された燃焼熱より,Ti-S (4H- to 2H-TiSx),Cr-S (trigonal- to rhombohedral-Cr2S3) and Ta-S (2S- to 3S-TaSx, 3S- to 6S-TaSx and 6S-TaSx to 1S-TaS2)系においてそれぞれの転移エンタルピーを求めた。不定比硫化物の燃焼熱と構造との関連性について考察した。