1997 年 24 巻 5 号 p. 228-238
多成分の反応と拡散を伴う界面反応を解析,制御する方法について記述した。界面反応の解析には化学ポテンシャル図を用いた。化学ポテンシャル図は界面反応が関与する化合物群についての生成ギブスエネルギーのデータを用いて構築した。界面反応および拡散挙動は化学ポテンシャル図上に示した反応経路のモデルによって説明した。そのモデルでは界面での局所平衡を仮定し,反応経路は化学ポテンシャル図上で折れ線で表示される。FeO/Cr,Cu2O/Ni,TiAl/Al2O3,TiAl/TiO2,Ti/Al2O3およびステンレスの酸化反応などの例において,そのモデルを用いて界面反応を合理的に制御できた。さらに化学ポテンシャル図を用いて界面反応を予測し,制御する方法についても述べた。