2017 年 21 巻 1 号 p. 79-82
急性下肢動脈閉塞症手術患者14症例の日常生活活動度(activities of daily living:ADL)と症状自覚の有無が転帰に与える影響を報告する。症例は平均年齢81±9才,アメリカ麻酔科学会全身状態分類3が64%で脳心血管合併症を有する患者は93%であった。ADL要介助8症例(57%),症状自覚なし4症例(29%)のそれぞれ50%が患肢切断,要介助の1症例が在院死亡した。ADL低下と症状自覚の欠如は転帰に影響することが示唆され,周術期管理に携わる麻酔科医も認識すべき点である。