2018 年 22 巻 1 号 p. 151-155
腹部大動脈瘤(abdominal aortic aneurysm : AAA)に対するステントグラフト内挿術(endovascular aortic repair : EVAR)は低侵襲だが,EVAR後1カ月以降の開腹による再手術(late open conversion : LOC)となった場合予後が悪い。LOCの原因が二次性大動脈腸管瘻の場合は,特に死亡率が高い。今回我々はEVAR後の二次性大動脈腸管瘻に対するLOCを2症例経験した。症例1は60歳男性,症例2は75歳男性で,ともに術前に下血を呈し二次性大動脈腸管瘻と診断された。症例1は緊急手術で,症例2は待機手術でLOCを施行した。両症例ともに術中に大量出血をきたしたが,神経学的後遺症なく退院した。