2021 年 25 巻 1 号 p. 29-35
【目的】大動脈遮断(ACC)時間と手術因子,人工心肺(CPB)離脱方法,予後の関係を調べる。
【方法】2017∼19年に東北大学病院で行われたCPB使用手術508例の手術因子,CPB離脱時に使用した循環作動薬・補助循環装置,術後30日・180日以内の死亡を調査し,ACC時間240分以上と未満の2群で比較検討した。
【結果】長ACC群105例,短ACC群403例で,術中出血量・輸血量は長ACC群で有意に多く,循環作動薬・補助循環装置使用率に群間差は無かった。両群とも補助循環使用例の死亡率は有意に高かった。
【結論】長ACCでは出血量増加への対応,CPB離脱時の低心機能回避が重要と考えられた。