比較眼科研究
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総説
前臨床安全性試験における眼科学的検査
E. Dan WOLF久野 博司
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1991 年 10 巻 3-4 号 p. 3-4_1-3-4_11

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抄録

医薬品,化学物質の眼部およびその付属器官に及ぼす有害作用を評価することは,臨床試験に先立って行われる安全性試験の大切な検査項目である。眼科学的な検査方法はスクリーニング検査と診断的検査に分類することができる。スクリーニング検査には一般状態検査(顔面の対称性,涙膜の評価,第三眼瞼の動き,瞳孔反射),倒像検眼鏡検査,細隙燈顕微鏡検査および光顕的検査がある。診断学的検査にはシルマー涙液試験,フルオレスセイン染色,神経眼科学的検査,パキメーター,眼圧計,電気生理学的検査および電顕的検査などがある。検査法の選択は動物種,試験の種類および被験物質から予想される病変により変化すると考えられる。また広範な眼科学的な病変について熟知することは,前臨床試験における眼科学的な検査の質の向上に大きく貢献し,かつ必要なことと考えられる。

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© 1991 Japanese Society of Comparative and Veterinary Ophthalmology
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