比較眼科研究
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第2回談話会
日本白色在来種ウサギのクローズドコロニーに発生した牛眼症(先天性緑内障)の病理組織像
梅村 孝司土谷 稔戸塚 征彦奈良間 功
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1983 年 2 巻 p. 5-9

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抄録

眼漏増量,眼球突出,角膜白濁,瞬膜露出瞳孔散大および瞳孔反射消失などの眼症状が多発する日本白色在来種ウサギのクローズドコロニーを病理組織学的に検索し,その本態が牛眼症(先天性緑内障)である事を知った。乳のみウサギ7例を含む一見健常な症例24例の左右眼球および中枢神経系についても検索したところ,緑内障の存在を示唆する病変が16例(67%)に存在していた。今回の症例におけるフォンタナ腔および強膜静脈洞の変化は眼内圧上昇に起因する圧迫萎縮であり,本症が同部位の低形成ないし無形成によって発現するという従来の通説に疑問を抱いた。

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© 1983 Japanese Society of Comparative and Veterinary Ophthalmology
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