比較眼科研究
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原著
ウサギ水晶体可溶性蛋白における自己免疫原性とその動物種差
印牧 信行金井 一享三浦 健小野 啓奥嶋 久孝松尾 史朗市川 陽一朗恩田 賢和田 恭則
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2005 年 24 巻 3-4 号 p. 3-4_9-3-4_13

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抄録
日本白色種ウサギ(Jla:JW)の水晶体から分離精製した可溶性蛋白を同種動物に免疫感作することで、水晶体可溶性蛋白における自己免疫原性を調べた。またラットとイヌの水晶体可溶性蛋白との共通免疫原性についても調べた。水晶体可溶性蛋白の免疫感作はフロイント完全アジュバントとともに四肢指間に皮下注射して行った。ウサギ水晶体可溶性蛋白はセファロースCL-6B液体クロマトグラフィーを用いて分離した。水晶体蛋白の分画と抗体産生の有無はSDS-PAGE(SDS-polyacrylamide gel electrophoresis)とウエスタンブロッティング法で調べた。ウサギ水晶体蛋白に対して抗体が産生された成分はαA-、βH-、γ-クリスタリンであった。ウサギ水晶体蛋白抗原に対するウサギ抗体は、イヌおよびラットの水晶体蛋白に対して交差性があった。この交差性はαA-クリスタリンで特異性が高いと思われた。
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© 2005 Japanese Society of Comparative and Veterinary Ophthalmology
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