比較眼科研究
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原著
3% N-アセチルシステイン点眼液のイヌ眼表面に及ぼす影響
喜田 徹郎藤井 千恵樋口 剛史榊 秀之牛尾 和道山形 静夫
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2008 年 27 巻 p. 17-22

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抄録
3% N-アセチルシステイン点眼液(パピテイン®、千寿製薬株式会社、大阪)は、抗コラゲナーゼ作用によりイヌ・ネコの創傷性角膜炎、角膜潰瘍における角膜障害の治療に有用性が認められている。その一方で、高濃度のN-アセチルシステイン溶液をウサギに反復投与することにより眼表面のムチンが除去されることも知られている。そこで、今回ビーグル犬を用いて、左眼に3% N-アセチルシステイン点眼液を、右眼に生理食塩液をそれぞれ2時間間隔で1日6回、2週間反復点眼投与し、本剤のイヌ眼表面への影響について検討した。イヌ眼表面への影響については、角膜あるいは角結膜をフルオレセイン及びリサミングリーンで染色し、前眼部所見の評価を行った。さらに2週間の反復点眼後に眼球を摘出し、角膜の病理組織学的検討も行った。その結果、いずれの生体染色法ならびに光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡を用いた病理組織学的検討においても眼表面への影響は認められなかったことから、3% N-アセチルシステイン点眼液の1日6回、2週間の反復点眼投与は、イヌの眼表面のムチンを減少させることはなく、角膜上皮に障害を起こさないと考えられた。
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